微笑みの国タイ。温暖な気候、美しいビーチ、安い物価、うまい料理、タイマッサージ、親切なタイ人、多くの魅力にあふれるタイにさらなる要素が加わった。
それが、カンナビスドリンク。
タイでは2018年に医療大麻が合法化され、2020年には大麻が禁止薬物リストから除外された。これを受け、タイでは大量の大麻関連グッズが発売された。
そのなかで、最も目にするグッズのひとつが、カンナビスドリンクだ。カンナビスドリンクとは、その名の通り大麻が含まれた飲料だ。大麻関連グッズが解禁されると、タイのあらゆるコンビニやスーパーで発売されるようになった。
大麻には向精神作用をおよぼすTHCという成分が含まれている。しかし、カンナビスドリンクを含む大麻関連グッズは、このTHCの含有率が0.2%未満に抑えられている。つまり、向精神作用をもたらすことはない。それでも、大麻関連グッズは多くの経済効果を生み出しているという。
今回、いくつかのカンナビスドリンクを誤飲してしまったので、その味の評価を行ってみた。
エナジードリンク M-150 Green Terpene
タイの定番エナジードリンクM-150 のカンナビスヴァージョン。ラベルにはくどいほどのカンナビス。
キャップを開けると、典型的な栄養ドリンクの甘ったるい香りが鼻をつく。カンナビスに限らずハーブ臭のようなものはなし。
味にもカンナビス風味はなし。一般的な栄養ドリンクの味。だが、タイのドリンクだっけあって甘さが強い。そこがちょっと気になるだけで、全然飲める。
マジックファームフレッシュジュース パイン味
SNNP のマジックファームフレッシュジュースシリーズ。タイのセブンイレブンではこのシリーズのどれかは置いてある。もっとも見つけやすいカンナビスドリンクであろう。ラベルはまっすぐにカンナビス。
パインの香りが微かにするが、カンビナスのようなハーブ香はなし。
口に入れると、すぐにパインジュースの風味が広がる。ただし、とても人工的な風味、シロップのよう。これでよくフレッシュジュースを名乗ったものだ。それでも飲めなくはないかな、と思うのもつかの間、初めて味わう雑味に襲われる。
母親が思い付きで作った素人感満載のクッキーのような、業務スーパーで売られている玄米のような、なんだか雑穀感が強い。これがカンナビスなのか?飲めたもんじゃない。
マジックファームフレッシュジュース ベリーミックス味
同じくマジックファームフレッシュジュース。最も毒々しいカラーの持ち主。
シロップのベリーのような人工的な香りが強い。加工しすぎた嬢の写真のようで、そそられない。
パインで苦しんだ雑穀感がほとんどない。飲める。しかし、香りそのままの人工的なシロップの風味がくどい。さらに、タイのジュース特有の強烈な甘さがある。このくどさと甘さのマリアージュがおっさんにはきつい。これも全部飲むのはしんどい。
マジックファームフレッシュジュース ライチ味
マジックファームフレッシュジュースの三本目、正直このシリーズには期待できない。
香りは、しっかりとライチ。かといって、ベリーのような人工的な香りが強いわけでもない。このシリーズの中では、一番香りがいい。
口に入れるとライチの風味を感じるがそこまで強くない。甘さもベリーほど強くない。そのうえ、ベリーになかった酸味があるので、飲み易くなっている。ただし、ベリーより例の雑穀感を感じる。ただ、パインほど強くはない。このシリーズのうちどれか一つを飲まないと殺されるならば、このライチを選ぶ。
ちなみに、裏面のラベルはタイ語がびっしり。何が書いてあるかさっぱりわからない。実際、このマジックファームフレッシュジュースにカンナビスの成分が入っているかは不明。
マジックファームフレッシュジュース ライム味
マジックファームフレッシュジュースの新作。ライム味ということもあり、見た目の毒々しさが消えている。今までの悪かったところを改善したのだろうか。期待がもてる。
香りは、正直なんだかわからない。ライムの香りもカンナビスの香りもない。かと言って無臭というわけでもない。その香りが強くはないので気にはならない。
まず甘い。そしてライムの風味にあの雑穀感が加わっている。今までよりも強い。どんな研究を行ってきたのか、全然改善されてない。より悪化している。飲めたもんじゃない。便器直行。
カンナビスウォーター
身もふたもないまっすぐな商品名。ラベルにはしっかりとカンナビス、そしてビタミンB12が入っていることが窺える。
その名前に反して、香りには落ち着きがある。アクエリのようなスポーツドリンクに近い。それに、ベリーのライトな香りが加わっている。マジックファームフレッシュジュースのベリー味のような整形的芳香ではないため、香りにまとまりがある。
ウォーターの名を冠するだけあって、ベースがジュースではない。マジックファームフレッシュジュースのようなしんどい甘さがないので飲みやすい。スポーツドリンクのような軽さ。ただし、口内から鼻孔を刺激してくる香りは癖がある。ラベンダーのようなジャスミンのような花臭さ。これのせいで、結局あんまりうまくない。ただ、全体的に軽いので、冷蔵庫にこれしかなかったら飲める。実際、少し時間を置いて飲んでみたら、より飲めるようになっていた。慣れたのかな。
ちなみに、アユタヤのおしゃれ田んぼカフェにも置いてある。
アルカライン95
透明なボトルにレゲエカラーのカンナビスがラベルに描かれたさわやかな一本。ミネラルが色々と入っているらしい。
香りは、ほとんど何も感じない。ほぼ無臭。
微かにグレープフルーツの風味があるが、ほぼ水。カンナビスウォーターよりも水に近い。ダイドーのミオと真水の中間ぐらい。非常に飲み易い。あまったるいジュースばかりのタイで、こんなドリンクが発売されたことに驚く。
DEK420
カンナビスらしき物体がハブ酒のように漬かっているインパクト最強のカンナビスドリンク。シリーズ化されているようで、今回はその中の『オリジナル』。
ハーブの弱い香りがする。今まで一番カンナビスドリンクらしい香り。
これもアルカリと同じように、水をベースとし、そこにグレープフルーツの風味が加わっている。こちらはさらにハーブの風味もある。漬けただけある。その分、アルカリより癖があるが、水ベースなので飲み易い。いい意味で見た目を裏切っている。
以上、カンナビスドリンク飲み比べでした。これらが向精神作用を及ぼすことはないが、日本への持ち込みはやめたほうがよいでしょう。
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